10.バックグラウンドで動かすデータベースには詳細な情報・細かな項目も。



さて、前置き含め11回もの連日連載にて展開してきた『迷える不動産業者のための十ヶ条』。条項としては今回の第10条が最後となる。


インターネットで物件情報を提供する場合、部屋探しをしているユーザーにとって検索機能は必須だ。つまり、検索機能の無い不動産業者のWebサイトは話にならない。最初からお読みいただいているかたであれば、もうこれはご理解いただけているだろう。


検索機能=バックグラウンドで情報を蓄積しているデータベース(以下DBと略す) である。


話が少しややこしくなるかもしれないが、このDBはWebサイトで物件検索してもらうためだけに構築するのは、実はもったいない。


管理物件なら、その履歴やチェック項目などがDBで一元管理されていると便利なのではないだろうか? 今もって有力な情報誌の原稿に必要な項目もすべて盛り込めたらどうか? 問い合わせが多い物件の傾向、情報掲載から成約に至るまで要した時間の記録、地域・ユーザー属性等で確認できるかもしれないパターンなどなど、マーケティングや経営自体のパワフルな資料へ育てていける余地がある。


これにはDBを運用する側(つまり、端的に述べると経営者と担当者)の意識のレベルアップが欠かせないから、最初からあれもこれもと欲張るのは失敗の元だ。


が、このように「将来的には、会社全般の動きに欠かせないツール」としていく視野をもってWebサイトに必須のDBを開発・運用し始めるべきである。


項目の追加等、DBのちょっとした修正・改造は、思いついたらすぐできると良い。習得する決意と時間さえ確保できれば、必ず使いこなせるようになるファイルメーカーを推しておく。


弊社の『賃貸伝説』ファイルメーカーをエンジンとしており、柔軟なカスタマイズに対応可能だ。


乱暴な言いかたになると断った上でファイルメーカーと他のDBエンジンとの差を述べると


ファイルメーカーは構築したDBをすぐWebへも持っていける。ファイルメーカーでのDB構築≒検索機能を持ったWebサイトの完成となる


ファイルメーカーは、もともとGUIグラフィカルユーザーインターフェース)を備えた「誰もが使える」データベース。専門のエンジニアでなければちょっとした修正も実状不可能な他のデータベースでは、「会社に不可欠なツール」として育てていくDBがブラックボックス化してしまい、会社の動きが他人の都合に左右されてしまう。


この2点が大きい。


意欲的な不動産会社であれば、ファイルメーカー導入を強く勧める理由だ。

<石川@アイタス